時給「1000円ぽっち」払えない企業は潰れていい Vol.2 ■日本商工会議所が最賃引き上げに反対する3つの理由

                                                                                            ※7/5(金) 配信 東洋経済ONLINEより抜粋

                                                                                  デービッド・アトキンソン :小西美術工藝社社長 

 

しかしながら、このように不当に低い給料しか払わない企業群を守ろうとする圧力団体が日本には存在します。その名を日本商工会議所といいます。  

日本商工会議所は、経済財政諮問会議が提言した最低賃金の1000円への引き上げに猛反対しました。ここ数年3%だった引き上げ率を5%にすることに対しても、反対の意向を示しています。  

彼らは、政府に対して要望を出すと同時に、野党各党にも働きかけを行っています。

さらには、複数の自民党議員の地元事務所に要望書を持ちこみ、プレッシャーを与えるなど、全国で組織をあげて徹底的に反発しているようです。立場上の形式的な反対ではなさそうです。

  

要望を受けた国会議員から私が直接聞いたところによると、日本商工会議所が最低賃金引き上げに反対する理由は、主に以下の3つだそうです。  


(1)最低賃金がそれほど高まると、倒産する中小企業が続出する 

(2)従業員の雇用を守るためには、長期にわたって安定的な経営をすることが重要 

(3)そもそも、賃金は企業の経営者が判断するべきで、最低賃金といえども政府の介入は最小限にするべき  


いずれも、私には極めて浅はかで、短絡的な議論にしか見えません。順番に考えていきましょう。  そもそも、仮に日本の最低賃金が1000円になったとしても、国際的に見るとその水準は非常に低いレベルでしかありません。購買力調整をしても、その結論は変わりません。  

「日本人の技術はすばらしい」「日本人の労働者は勤勉だ」「手先が器用」「人材評価は非常に高い」「職人気質」。  

そんな日本人の労働者の質の高さを自慢する声は、今でもそこら中から聞こえてきます。  

もちろん日本商工会議所も発言源の1つです。  



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